■そもそも軽自動車って
軽自動車とは、全長が3.4m以下、全幅が1.48m以下、全高が
2.0m以下、排気量が660cc以下、定員4名以下、貨物積載量が
350kg以下の自動車のことを指します。(道路運送車両法施行
規則より)
かつては超高額であった自動車を一般市民にも広く普及させる
目的で、小型車をさらに小さくした自動車として開発されました。
現在の日本では、燃費が良くて維持費も安くて小回りが利くという
ことで、女性を中心に軽自動車が定番となってきています。
実際に自動車所有世帯の5割以上が軽自動車を所有しており、
常用車両としている割合も4割に達しています。
特に若い女性に人気で、10代から20代の女性で6割、30代でも
5割を超える人が常用車両としているのです。
ところが、この軽自動車の規格は日本独自のものであり、海外では
軽自動車という概念がありません。
地球規模で環境問題が深刻化する中、日本の自動車メーカーの
高い技術を詰め込んだ軽自動車が注目され、欧米や新興国など
でもそのニーズは徐々に高まっています。
しかし欧米では自動車は長距離や高速走行を目的に使うことが多く、
新興国では道路の整備が十分でないところが多いことが快適性の
面で劣る軽自動車が普及しない要因となっています。
また欧米などの多くの国で、日本の軽自動車は一部を除いて安全
基準をクリア出来ていません。
これは、日本の自動車安全基準が欧米に比べて緩いわけではなく、
各国がそれぞれの環境や道路事情などを考慮した上で安全基準を
定めており、各国のメーカーにとっては自動車を輸出する際の
一種の「参入障壁」となっているからとも言えます。
さらに軽自動車の実質燃費は20km/L前後でかなり良いように
見えますが、排気量2000ccの自動車の実質燃費が10km/Lで
あった場合、排気量は1/3程度なので実質燃費は30km/L以上
あって然るべきで、軽自動車は排気量の割に燃費効率が非常に
悪い、という日本人から見ると屁理屈にしか聞こえない理由もある
そうです。
■古くなった軽自動車は・・・
普通車であれば低年式車であっても過走行車であっても、走行に
支障さえなければ、国内で需要のなければ海外に中古車として
輸出される場合があります。
では多くの国で安全基準を満たしていない軽自動車は、古くなって
しまうと海外に輸出も出来ないので廃車にするしかないのでしょうか。
実際に業者が買取った軽自動車を海外に輸出することは少ない
ようですが、国内での軽自動車需要がかなり多く、返って普通車
よりも高く買取ってもらえる可能性が高いと思われます。
免許を取って初めて買うのは軽自動車という人も多いでしょうし、
さらに運転に慣れるまでは新車ではなく中古車で、しかも出来るだけ
安いものでいうことになる場合が多いと思います。
よって古い軽自動車だからといって諦めて廃車や下取りに出す
のではなく、買取業者に査定をしてもらうと思った以上に高い評価が
得られるかもしれません。
■軽自動車の廃車費用
それでも値段が付かない場合には廃車にせざるを得ません。
では軽自動車を廃車にする時にはどのように手続きをし、
どれぐらい費用が掛かるのでしょうか。
廃車の手続きは普通自動車とは違い、軽自動車検査協会で
行います。
簡単に言うと、車検証・ナンバープレート(前後)・認印を持って行き、
申請書を購入して必要事項を記入し窓口に提出し、証明書をもらうことで廃車にすることが出来ます。(事前に車両を解体していない
場合)
また廃車に掛かる費用は、まず軽自動車検査協会での手続きの
際に、申請書の購入代金と証明書(1通)の交付手数料で400~
500円掛かります。
それ以外には、車両の運送費用と処分費用、リサイクル料金が
掛かります。
車両の運送費用ですが、ナンバープレートを外した車両は公道を
走ることが出来ませんので、レッカー車やキャリアカーなどを使って
解体業者に持ち込まなければいけません。
解体してもらう業者に依頼すれば、大抵の場合は無料で引き取りに
来てくれます。
またJAFの有料会員であるなら、15kmまでの距離であれば無料で
レッカー移動してもらえます。
ちなみJAFの会員でない場合は基本料金と作業料金合わせて
1万3千円近く掛かり、さらに移動距離1kmごとに720円加算
されます。
処分費用に関しては、業者ごとに違いはありますが、無料で行って
くれるところも多くあり、場合によっては部品や鉄を買取りしてくれ、
逆にお金がもらえることもあります。
リサイクル料金は、購入時や車検時にすでに支払っている場合は
必要ありませんが、未払いの場合は、軽自動車であれば7千~
1万6千円ほど支払うことになります。(金額はメーカーや車種に
よって異なります。)
廃車の手続きから車両の解体までを業者に代行してもらうことも
出来ます。
解体業者や廃車買取業者であれば(重量税の還付、自賠責保険の
返戻手続きも含めて)無料で代行してくれるところもありますが、
ディーラーの場合には手数料が2~3万円掛かることもあります。
手間と費用の両面から考えて、自分に合った方法で処分して
ください。