■廃車にするにはまだ早い
10年以上乗っている自動車や10万kmを越える長距離を走った
自動車、事故を起こしてしまった自動車・・・これらの自動車を
処分するには廃車するしかないと思っていませんか。
ディーラー下取りはもちろん、買取業者の査定も「ゼロ」だからと
いって諦めてはいけません。
どんな状態の自動車であっても、金額の多い少ないは別にして、
必ずお金になるのです。
少し手間と時間を掛けて、廃車同然の自動車を買取ってくれる
業者を探して見ましょう。
■なぜ売れる?
では、廃車同然の自動車を買取った業者はなぜ商売が成り立つ
のでしょうか。
ボランティアではなく会社として運営している以上、買取った値段
以上で売ることで利益を得ないといけません。
一つは買取った自動車を国内ではなく、海外に輸出しているのです。
海外から見ると日本人はこと自動車に関して大変贅沢している
ように感じるんだそうです。
まだ動くにもかかわらず、「10年以上乗ったから」とか「走行距離が
10万kmを越えた」などの理由だけで買い替えてしまう、確かに
新車なら軽く100万円を超える高額なものを、特に深い理由もなく
買い替えるんですから贅沢かもしれません。
日本では、海外メーカーの高級車に乗ることが一種のステータスと
なっているように、海外特に新興国では日本車に乗ることが
ステータスなのです。
日本車は性能が良く、故障も少ないので維持費も安く長く乗れると
いうことで新興国では特に人気が高く、さらには事故車であっても
直っていればそれで良く、むしろ塗装し直している分、無事故車より
見た目がキレイだという感覚もあるようです。
日本車より特別性能が良いわけでも頑丈なわけでもない外国車を
有り難がっている日本人は、このような点からも自動車に関しては
贅沢だと言えるかもしれません。
しかし、性能が良く故障が少ない分、修理をした時に掛かる費用は
かなり高額となってしまうことも買い替えのサイクルが早い原因と
言えます。
「ぶつけてボディがヘコんだ」や「エンジンの調子が悪い」などだけで
修理代金は数万円、数十万円となり、それほど掛かるのならば
買い替えた方が・・・と考えてしまうのです。
しかし海外では、自動車修理工の日給(時給ではない)が数百円と
いう国も珍しくなく、かなり安い費用で修理出来てしまいます。
また海外でも中古車として売れない場合には、解体した上で部品や
パーツをリサイクルしています。
中古パーツとして個人や国内の工場に販売したり、海外の工場に
輸出したりしているのです。
国内の修理工場でもメーカーの純正部品を取り寄せるのに、
最低でも2~3日、下手をすれば1週間・1ヶ月掛かることもザラに
あります。
海外の工場ともなれば、通関のためにさらに日数が掛かることに
なり、メーカー純正部品を手に入れること自体が困難と言えます。
中古パーツであればより早く安く手に入れることが出来るので、
中古パーツ市場も世界に広がっているのです。
また部品だけでなく、ボディに使われている鉄も資源として売れます。
このように、中古車として海外輸出、解体して中古パーツとして
販売・輸出、資源として売却することで利益を上げているので、
廃車同然の自動車でも買取ってくれるというわけです。
■最期を見届けたい
廃車同然の自動車を買取ってくれる業者であっても、その買取額は
当然数十万円というわけにはいきません。
数万円場合によっては数千円で引き取りということも少なくはなく、
それぐらいの金額であれば廃車にしてしまうという人もいるかも
しれません。
ディーラーや買取業者だけでなく、解体業者でも廃車手続きの
代行をしてもらえますが、代行手数料として2~3万円ぐらい
掛かることもあるようです。
買取業者や解体業者であれば、自動車の引き取りから廃車手続き、
自動車重量税や自賠責保険の還付、返戻手続きまで無料で行って
くれる場合もあります。
自分で手続きをする場合には、車検証・ナンバープレート(前後)・
実印・印鑑証明を管轄の陸運局に持参し、申請書に必要事項を
記入、実印を押して持参したものとともに窓口に提出するということ
になります。
ちなみに軽自動車の場合は、実印・印鑑証明は必要なく、代わりに
認印を持参して、管轄の自動車検査協会へ出向くこととなります。
費用は手数料と申請書の購入代金の合計で500円程度掛かります。
その後さらに自賠責保険や任意保険の解約・返戻の手続きを
しなければいけません。(重量税の還付手続きは解体後でないと
出来ません。)
手続き自体はそれほど難しいものではありませんが、「今後のため」
とか「話のタネに」などということでもないのであれば、多大な手間と
僅かながらお金も掛かるので、無料で行ってくれる業者を探した
方がおトクかもしれません。