■下取りと買取の違いって？
自動車を処分する時、「下取り」や「買取」という言葉をよく耳にすると
思います。
自動車を売るということでは同じである「下取り」と「買取」ですが、
どのような違いがあるのでしょうか。
まず「下取り」は、次に買う自動車の購入資金の一部として今
乗っている自動車を販売店に引き渡すということです。
即ち、「あなたのお店で車を買うから、代わりに私が乗っている車を
引き取って、その価値分を代金から引いてちょうだい」となるわけ
です。
かたや「買取」は、今乗っている自動車を買取専門業者などに売り、
その代金を受け取るということです。
よって、「下取り」の場合には同じ店で次の自動車の購入が前提に
あるため現金の受け渡しはありませんが、「買取」の場合はその
店には自動車を売るだけなので現金を受け取るというところが
大きな違いとなります。
■どっちがおトク？
では、「下取り」と「買取」ではどちらがおトクなのでしょうか。
まず「下取り」では、次の自動車の購入とセットなので手続きが
非常に簡単に済み、書類を取りに何度も役所に足を運ぶという
手間が掛かりません。
また新車など値引きが難しい自動車を購入する際には、下取り
価格に多少色を付けたり、低年式車や過走行車などであっても
下取り価格を付けることで値引きと同様の対応をしてくれることも
あります。
そして新車が納入されるまで今乗っている自動車を乗り続ける
ことが出来たり、その間、代車を貸し出してもらえることもあります。
しかしデメリットとして、ディーラーなど販売店は中古車販売のルート
を持ち合わせていないか持っていたとしても非常に限られた範囲と
いうことになり、設定されている下取り価格が必ずしも中古車市場と
連動しているとは言えず、低くなっている場合が多いということです。
また装備品に高価な社外品パーツを付けていたとしても、査定には
それほど反映されないようです。
さらに下取車諸費用や査定料として、約１万円～２万５千円ぐらい
請求されます。
これは下取りした自動車の名義変更や廃車手続きにかかる費用や
中古自動車査定士の人件費で、交渉次第でカットしてもらえますが、
販売店によっては交渉にすら応じてもらえない場合もあります。
次に「買取」ですが、「下取り」との大きな違いは複数社に対して
見積りが請求することが出来、その買取価格を比較して売る業者を
選択することが出来ます。
即ち１円でも高く買ってくれる業者を探して、その業者に自動車を
売れるということです。
大手業者の場合は全国に自社の営業所があり、またそうでない
業者であってもオークション会場などと提携していることが多いので、
全国の中古車相場の情報をリアルタイムで収集することが出来、
それを買取価格に反映させるために「下取り」よりも高くなる場合が
多いということになります。
さらに装備品もプラス評価の対象となっており、高価であったり
人気のある社外品パーツなどを装備していると買取額が大きく跳ね
上がることもあります。
そして下取車諸費用や査定料は最初から無料となっており、これを
カットするためのムダな交渉をしなくて済みます。
もちろんデメリットもあって、中古車相場の情報がリアルタイムで
入ってくるが故に買取価格の変動が激しく、複数社を比較・検討
しているうちに買取価格が大きく下落するということも考えられます。
また、同様の理由で、インターネットなどで一括見積りを依頼した
場合にも、見積りで出た金額と最終的な買取価格との間に大きな
違いが生じることがあります。
そして基本的にはすぐ（約１週間以内）に自動車を引き渡さなければ
いけないので、次の自動車を購入するまで「車なし」の状態になって
しまいます。
業者によっては代車を貸してくれますが、長期間に渡って貸して
くれるということは無いようで、通勤などで毎日自動車を使用すると
いう場合には注意が必要です。
■一長一短
こうして「下取り」と「買取」を比較してみると、幾分「買取」の方が
メリットが多くておトクなように思います。
しかし「買取」に少なからずデメリットがあり、稀ではありますが買取
業者との間でトラブルが発生することもあるようです。
営業マンとの付き合いがあったり、自動車が無い期間がどうしても
持てない場合などは「下取り」を選ばざるを得ないでしょうし、
とにかく現金が手元に欲しい場合には「買取」してもらうほか
ありません。
しかし、そのような限られた状況で無いのであれば、一度買取専門
業者の無料査定を受けてみるのも良いと思います。
そうして価値が分かった上で、愛車の状態とも相談しながら「下取り」
か「買取」かを決めれば、きっと後悔することはなくなるはずです。